仕事が遅い新人に行動を促したい!話の聞き方・伝え方のNG例・OK例

仕事が遅い新人にアドバイスする時、こんな間違いしていませんか?

仕事のペースが遅い新人にアドバイスしても、納得してもらえません

9月・10月になると、
異動・転職で入社した新入社員さんたちと、
職場の新しいスタッフとして関わる機会が増える時もありますね。

その新入社員さんたちを
現場で教育する若手社員さんたち、

新人教育やOJTリーダー(看護師さんの場合はプリセプター)
を担当している方もおられることでしょう。

中でも、気にしすぎ・会話が苦手・
ネガティブ思考な方の場合、
新入社員さんとの関わり方・接し方に困ることってありませんか?

新人の教育係・OJTリーダーさん:

「窓口対応でお客様対応の時、説明に時間をかけすぎて、
仕事が遅い新人への接し方・注意の仕方で困っています

チームでの分担と時間配分をもっと強く意識して、
時間内でもっと効率よくテキパキ仕事を仕上げることも
覚えてもらいたいんです。

タイマーやストップウォッチを持ち歩いて
使うようアドバイスしても、
なんかブツブツ言ってあまり納得してなくて
気が進まない様子で…。

新人さんにアドバイスどうやって伝えたらいいのか
分からず、思うように動いてもらえずイライラします
。」

佐藤さおり:

「チームでの役割分担や時間配分に
注意を払ってほしいけれど、

お客様への説明に時間がかかってしまう
新人さんにはあまり伝わらず、
納得して動いてもらえないので、イライラするわけですね。

新人さんの受け答えを、いったん聞いて受けとめていますか?
新人さんにはそれなりの事情がある、と相手とその話から
的確に理解できると、お互いにイライラしたやりとりが減って、
疲れ・ストレスからも解放されますよ
。」

*****

窓口対応での問い合わせ・相談業務の現場の
場合、こういったお悩みは、ある意味
誰でも経験する「あるある」なことかもしれませんね。

例えば、病院や薬局、銀行、携帯ショップ
その他にお勤めの方の場合、特にそうですね。

わたし自身も、
大学職員として学生の窓口対応で
よく体験いたしました^^;

新人で当初から、仕事が遅い方だと
自分でも気にしていたんですね。

その後、スピードアップして
できることが増えていくと、

イザ新人教育・後輩指導をする担当になったとたん、

今度は新人さんに思うように動いてもらえ
ない、納得してもらえない、という事態に直面します。

「会話が苦手で、わたしの話し方や声がけも
どうせダメだから…」と思うと、
相手にも自分にも嫌気がさしてくる始末で。。。

この「会話が苦手で、新人さんへの言い方や
声がけもどうせダメ・苦手だから」と思う分、

「問題=話し方」にばかり気を取られると、
結局相手に思うように動いてもらえず、よく失敗しておりました。

皆さんも、こんな経験したことってありませんか?

問題の核心は、話し方よりむしろ聞き方にありました~相手の事情・理由を聞いて理解していますか?~

対応の時間をオーバーしがちな新人スタッフ
に対して、新人教育担当・OJTリーダー
(プリセプター)さんが、

ここで自分の経験を活かし、こんなやりとりからアドバイスをした、とします:

OJTリーダー:
「仕事では他のメンバーとのシフトや
時間配分を意識しながら、もっとテキパキしないとダメだよ」

「お客様への説明、もっとスピードアップできませんか?」

新人スタッフ:
「わかってはいるんですけど、
時間に追われると焦ってしまって…
きちんと丁寧に説明できてなくなってしまう
んです…私自身も困ってるんですが…申し訳ありません…」

OJTリーダー:
「私も初めは必ず時計にアラームかけて
やってたしね…。
そうだ!時間管理するのに、タイマーか
ストップウォッチかけてやるといいよ」

新人スタッフ:
「えっ?それはちょっと抵抗が…
かえって焦ったり雑になったりして、
ミスしそうで怖いような…」

OJTリーダー:
「何言ってるの?こっちの業務だってあるん
だよ?シフト交替で引き継ぎにヌケ・モレ
あったり、締め切りに遅れたりしたら、
どうするの?迷惑かけないように、
業務効率上げていかなきゃ!」

新人スタッフ:
「タイマーって逆に…」
(ブツブツ言う・黙ってしまった)

OJTリーダー:
「せっかくアドバイスしたのに、何なの?!」(イライラ)

この2人のやりとりでは実は、
それぞれ目指す方向性や行動基準が
違っています。感じ取れましたか?

この2人の場合、OJTリーダーさんとしては、
「時間内にとにかくきっちり終わらせる、
取引先や職場のみんなに迷惑をかけてはいけない」。

一方、新人スタッフさんは
「お客様へのサービスの質をキープして
丁寧にきちんと済ませるのが大切。

メンバーとの時間を守ろうと思ってはいる
けれど、「時間に追われてる」と思うあまり、
焦ってくるとできなくなってしまう…」。

2人が先ほどすれ違ってしまった原因は、
それぞれ目指している価値観やニーズなどが違っていたから。

自分が大事に思っていることが、
相手にとっては必ずしも一致していない
=共通理解が成立していないことは、
よくありうることなんです。

そもそもこの状態で
いくら注意やアドバイスをしていっても、

相手には納得しにくくピンと来ない、
自分ががんばって伝えても伝わらない・
動いてもらえない、というわけです。

こうしたすれ違いを招かないためには、それぞれ目指す方向性や
行動基準に気づくことが、先決です

どうしたら気づきやすくなるのでしょうか?

実は【話し方・声かけ・アドバイス】ではなく、
相手とその話から、事情・理由を聞く
【話の聞き方と受け答え】が正確だったか?の方が重要なんです。

相手とその話をいったん受けとめる・認める

先ほどのOJTリーダーさんは、
新人さんの次の受け答えを聞いて受けとめ、
的確に汲み取っていたでしょうか?

新人スタッフ:
「わかってはいるんですけど、
時間に追われると焦ってしまい、
きちんと丁寧に説明できてなくて…
私自身も困ってるんですが…申し訳ありません…」

⇒頭では時間配分が必要な事柄を分かっている。
(お客様に)丁寧に説明することを目指したいが、
時間に意識を向けると焦ってしまうことで困っている

新人さんの受け答えの後に、例えば
「〇〇さんとしては、
頭では時間配分考えて動こうとわかっているんだけど、

お客様にも丁寧に伝えたいという思いもあるし、
時間に追われると焦ってしまうんで困ってるんだね。」

相手の目指したいねらいや、大切にしたい
価値観を聞いて、いったん受けとめて応じると、どうなるでしょうか?

相手から見ると、
「この先輩には、【自分の事情や理由、
言い分を分かってもらえた】
と受けとめられます。

【尊重された安心感・満足感】が出てきます。

もう1つ、こんな発言もありましたね:

「えっ?それはちょっと抵抗感が…
かえって焦ったり雑になったりして、ミスしそうで怖いような…」

この後に、例えば
「タイマーを意識すると、
目の前のお客様とのやりとりや業務に
集中しにくくなって、かえってミスを起こさないか心配、というわけね。」

というように応じれば、

行動を変える必要があるとしても、
その妨げとなっている問題・苦手と思うことについて、

1)新人さんが自分で再確認できると共に、
2)自分なりの事情を受けとめてもらえたという安心感
3)リーダーとの共通理解

をもつことができるようになります。

一緒に取り組んでいこうという前向きな姿勢
も、生まれてくるようにもなります。

疲れず余裕をもって新人さんに前向きな変化を促すことはできます

「相手とその話を正確に聞き、
いったん受けとめて認める」で、
自分と相手には、それぞれ事情・理由があることを見てきました。

これを土台にした上で初めて、


「仕事の現場で目指しているねらい・目的

(例:チーム内でサービスを
多く(〇〇名)のお客様に提供する、

そのお客様に適切に対応するため、
シフト交代時に引き継ぎを済ませる)」

そして、「必要となる行動・取り組み姿勢
(例:時間内に仕上げること)」

を伝えていきます。

いったん相手の事情を正確に聞いて受けとめ
理解するという土台があるからこそ、

初めてアドバイスや提案は、
相手にとって受け入れやすく、
行動の変化を促しやすくなるのです。

例えば、こんな感じです:

「〇〇さんには、お客様には丁寧に説明する
ことを大切にしたいって思う気持ちがある
んですね。それは確かに私たちのサービスで
大事にしたいところ。

ただし、このチーム/部署では、
〇〇さんもすでに分かっていると思うけれど、
〇〇名もの多数のお客様の元に、
このサービスを届けることを目指してる。

それを可能にするためには、
シフトを組んでメンバーで分担し、
交替時間に引き継ぎを間に合わせることも必要になってる。

こういった業務上の事情があるから、
この現場で時間配分をできるだけ守ることは
理解してほしいし、メンバーとして
さらに協力してもらえると助かります。

時間に間に合うよう仕事を進めるために、
一緒に取り組むし、できるだけサポートしていくね。

〇〇さんが、これから何か工夫できるとした
ら、それは例えば、どんなことができそうかな?」

新人さんとその話をざっくり聞き、
聞き流してしまうのではなく、

いったん正確に聞いて、相手の事情・理由を受けとめること。

そうして、お互いが分かり合うための基礎・
仕込みをして初めて、改善策・アイデアを
必要に応じて、必要な分だけ伝えると、効果的です

イライラして疲れることなく、新人さんにも受け取りやすくなり、
さらに前向きな気持ち・行動の変化を促すことができますよ。

まとめ

いかがでしたか?

今日は、「仕事が遅い新人に行動を促したい!話の聞き方・伝え方のNG例・OK例」をご紹介しました。

仕事が遅い新人さんにアドバイスをする前に、
大事なポイントは【相手の事情・理由を聞いて理解する】ということ。

具体的には、
①相手とその話を正確に聞き、いったん受けとめて認める
②その上で、そのねらい・目的と、
 職場で必要となる行動や取り組み姿勢
(例:時間内に仕上げること)を伝えます。

新人さんがねらいとしていること・価値観と、自分とチーム・部署
がその新人さんに対して期待している役割とを調整したうえで、
初めて必要に応じて改善策を一緒に考えていくことです。

特に、相手が当事者として納得解を見出せるよう促しながら、
時には気長に待って見守ることも大事です。

今回のコツを参考に、まずは
【相手の反応・言い分を正確に聞いて、
いったん受けとめる】ところから、ぜひ実際に試してみてくださいね

試行錯誤しながら、少しずつやっていくと、
新人さんとも疲れず心地よいやりとりが
でき、

自分への自信と信頼感、そして他人との信頼関係とを育んでいくことができることでしょう。

今日も皆さんが伸び伸びイキイキ働けますように。
それでは、また。佐藤さおりでした。

佐藤さおり

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