ミス・失敗で凹んだ新人・後輩に疲れない気づかいとは?

ミス・失敗で凹んだ新人・後輩に疲れない気遣いとは?

3月~4月にかけて、異動や転職、入社後研修。
そして翌5月は配属直後。さらに現場でお仕事スタートする時期ですね。

部署・勤務先は特に変わらず、今の持ち場で働き続ける場合でも、
皆さんの中には、新しい仕事や役割担当の方が変わったり、
新しいスタッフを迎えたりする側、ということもあるでしょう。

例えば、新人教育や後輩指導を、新しく担当することになった方も、
いらっしゃるかと思います。

先輩・教育係、OJTリーダーやプリセプター担当として、
あるいはメンターなど。

同じ部署で仕事をしていると、
仕事に不慣れな新人・後輩社員が、ミスや失敗をして落ち込んでいる。

何か声をかけた方がいいかな?でも、うまい言葉が見つからない…

要らぬお世話を焼くのもどうかと思うし、
下手に声をかけて、余計に落ち込ませたらもっと困る。

そうこうしているうちに、何となくタイミング失っちゃったりして…

そんなこと、ありませんか?

1.後輩と先輩の気まずい沈黙・負の連鎖

ミスをした新人・後輩の側では、
仕事がうまくできない、周りに迷惑をかけた、そんな自分を責めていたりします。

そのタイミングで、実際に周りの人から温かい気づかいを得られる
のと、そうでないとでは、大きな違いが生まれます。

他方、その場を見ていた先輩側が、
「うまくかける言葉が見つからないから」といって「放っておく」。

そうすると、ミスをして自分を責めている後輩側は、幸か不幸か、
実はなぜか同時に、「何となく周りから放っておかれた」
「見放された感じ」を多少なりとも感じとっているもの
なんです。

信頼関係を築くどころか、損ないかねないマズ~い事態となる
リスクが出てきてしまいます。

これってなぜ、後輩と先輩との間で、
ネガティブな気分が連鎖してしまうのでしょうか?

2.対応できない罪悪感が相手とのつながりを断ってしまうワケ

「うまい言葉が見つからない」「気づかないふり」「放っておく」。

こうなるのは、先輩の方が、「自分の対応がどう思われるか?」、
さらに言えば、自分に対する人からの評価を気にしてしまっているから

何か声をかけた方がいいだろうと思う相手がいても、
実際に言葉が浮かばない…。確かにこれは誰でも起きうることではあります。

とはいえ、うまい言葉かけ・対応ができるかという問題と、
相手にどう向き合っていくかとは、別の次元の問題です

相手を目の前にして、どう声をかけたらいいのか、
どう対応したらいいのかよく分からない。

そうして先輩・OJTリーダーが、自分がどう思われるかに
とらわれている時は、自分の方ばかりを見ており(つまり自分目線)

相手の方、相手のことを(相手目線で)まっすぐには見ていないもの

これでは、人と人との触れあいや、温かなつながりは
生まれようがなく、「見放した」形になってしまいます。

サポーターとしての【伝わると効果的・伝えたいメッセージ】
としては、むしろこうではありませんか?

目の前の相手、新人や後輩を気にかけている、見守ってるよ、
困っている時も一緒にいるよ。あなたは1人じゃない。
わたしやチームの力を借りてもいいんだよ。

こういったところでしょう。

このことが伝わりさえすれば、逆に言うと、
何も言葉かけ頼みにとらわれなくても実は良かったりするんです。

3.自然体の相手とつながること、一緒に時間や場を共有すること~言葉で沈黙を埋めようと思っていませんか?~

それでは、サポーターとしてのメッセージを、
具体的にはどのように伝えたら効果的でしょうか?

例えば、相手のことをよく観察しておく。
目が合ったら穏やかに微笑む。そんな程度でもいい
のです。

「よかったら…」とささやかな甘いもの(ガム、アメちゃんやチョコ)
を差し出したり、お茶を差し入れる。ほんのちょっとしたことでOK。

言葉をかけるにしても、
相手が実際に体験した内容や背景を、よくは分かっていないまま
対応に動こうとしていませんか?

それでは、声のかけようがありません。

どれだけ気を回しても、実際に相手が求めていることと
ズレていく危険性があります(場合によってはさらに傷つけるリスクも)

新人・後輩がミスをして、
「自分は周りに見放されてるかも…」と感じるような時に、

「見守ってもらえてる」
「気にかけてもらえている」と感じられるのは心強いもの。

自分が言葉をかけて気をつかうことにとらわれず、
目の前でそのままの状態の相手と向き合うこと
自然体の相手と自分とでつながりを感じてやりとりすること。

それは、何も言葉による明確な表現でなくても、可能なのです。

例えば、相手が凹んでいて話をする気分になれずにいる、とします。

その相手自身は、少し黙って落ち込んだり自分にイライラしたり。
そんな自分の高ぶった気分が鎮まるのを待ちたい、
落ち着いて過ごしたい、と思っている様子。

その事情や理由も把握してない場合に、勝手に決めつけて
うるさく話しかけては、かえって気分を悪くし、
お互いの雰囲気や関係までぎこちなくなってしまいます。

こういった事態に直面した時、相手をよく観察する、見守って待つ
と、不用意に「相手に気をつかいすぎて疲れる」ようなことも、避けられます

そうした言葉頼みにとらわれず、目線や表情、姿勢や態度を、
しっかり観察することでも、十分に温かなつながりを感じることはできます

一緒に時間を過ごす、場を共有するそうした状況の中でむしろ、
相手側が、話しやすくなるという可能性も十分にあります。

そうなった時点で、「~~さんのことだから、何か事情があるか
と思うんだけど、何か困っているようにわたしには見えたのね。
~~さんとしては、どうかな?」などのように初めて声をかけ、また様子を見る。

そんな接し方・対応をするので、
いわば「急がば回れ」で無理がなく自然なやりとりになり、
ミス・失敗で落ち込んだ相手も、課題に向き合ったり
よりスムーズに前を向いて取り組むようになる、とも言えます。

4.まとめ

「口べた」ゆえに、言葉でやみくもに対応しようとする、
あるいは逆に、遠慮しすぎて見てみないふりをしたり、
何も表現しようとしない。

そうではなく、

表情や目線、相手に向ける心の姿勢をもって、
温かく見守っているという安心感さえメッセージとして相手に伝われば、
その手段は、何も言葉に限らなくてもOKなのです

あなたの相手への配慮や思いやりを、十分に適切に表現でき、
それは、疲れず心地よい気づかいとなるのです。

口べたであっても、いや、口べただからこそできる気遣い、
新人・後輩との接し方、見守り方のヒントになれば幸いです。

それでは、また。
今日も伸びのび働けますように。

佐藤さおりでした~


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